理想の夫婦

私は父がサラリーマン、母が専業主婦という環境で育ちました。
父が仕事をしている間に母は慌ただしく家事や育児をこなし、父が仕事から帰ってくると、ご飯・お風呂・タオル・パジャマなど全て母が用意し、父が何もしなくても済むよう全てを完璧にこなしていました。母は毎日掃除をしていたので、いつもピッカピカになった家に帰ってくる父は気持ちが良かっただろうなぁと思います。朝はもちろん父より早起きをして、食卓に数多くのおかずを並べ、お弁当を詰め、シャツにアイロンをかけ、スーツ一式やハンカチ、仕事用かばんを用意し、父が起きてくるのを待っていました。
今思うと母は完璧な嫁だなと思います。

両親は今でもすごく仲が良くて、お喋りの話題は尽きないし、ひどい大ゲンカをしているところも見たことがなく、いっつもお互いのことを名前で呼び合い60歳を過ぎてもラブラブで私の憧れの夫婦像でもあります。
こういう両親を小さなころから見てきているので、女が家事・育児をこなし、男はお金を稼いできちんとそれぞれの役割を果たしていたら、両親のように素敵な夫婦関係が気付けるのだと思っていました。

現実の夫婦

しかし現実は理想通りにはいきませんでした。
結婚してからは、少しでも母に近づこうと、両親のような素敵な夫婦を築き上げていこうと必死に家事をしていたものの、私は家事が得意ではなく、料理も要領が悪すぎるため、頑張っても2品ほどしか作れず、味もいまいち。主人も美味しいよとは言ってくれるものの無理をして食べているのが分かります。
私たち夫婦は経済的理由もあり共働きをしています。私は今後も仕事はずっと続けていくつもりです。というよりかは、続けていかなければなりません。
主人の仕事はとても多忙で、私の仕事も繁忙期には残業続きで帰宅時間が11時過ぎになることも、休日出勤をすることもあります。そのため、家事がきちんと出来ず家の中はいつもグチャグチャでした。2人が帰宅するころにはクタクタになっているため食事は質素なものしか作れず、ソファに積もり積もった洗濯物や使ってそのまま放置されている食器を見ても片づける気にもなれず、ひどい時にはお風呂に入る余力すら残っていなく、床で寝てしまう始末…。そういう毎日に気付かぬうちにストレスが溜まっていました。

自分たちのペースで

いくら共働きとはいえ、自分が育った環境や理想とあまりにもかけ離れていたため、私は主人に対して申し訳ない気持ちと情けない気持ちでいっぱいになり主人に謝りました。
しかし、主人は今の状況をさほど気にしておらず「家事が大変なら今は自動食洗器やロボット掃除機もあるし、色んなものに頼って出来るだけ手を抜く工夫をしよう。それで気が楽になれるならその方がよっぽど良いよ。共働きでお互い忙しいんだから、ゆっくり二人のペースで素敵な家庭をを作っていこう。」と言ってくれました。その時に、両親と私たち夫婦は全く環境も状況も違うんだと気付かされました。主人の言葉に気持ちがスッと軽くなりました。理想を追い求めるのは大切なことですが、今の自分たちを受け入れて、少しづつ自分たちのやり方でより良い家庭を築いていく方が大切だなと思いました。

この記事を作成したキュレーター

Cherry

夫婦には、離婚に発展してしまうかもしれない喧嘩や悩み事が沢山あるもの。いろいろな情報を見て、自身の夫婦関係の向上の参考にしましょう。

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