離婚裁判をする為の条件と流れ、弁護士に依頼した場合の必要経費まとめ
離婚問題が長引いて、裁判にまで進むケースが増えてきているようです。そこで、今回は、離婚裁判に進むために必要な条件や、進んだ後に必要になる弁護士の費用などに関してまとめます。
どうなったら離婚裁判になるのか?
離婚裁判とは、離婚訴訟で離婚を成立させることであり、夫婦2人だけで離婚について話合う「協議」、そこで話がまとまらない場合に、裁判所に方法を決めてもらう「調停」、これでも話がまとまらない場合に、裁判所の権限で勝手に内容を決める「審判」という、いずれの方法でも離婚が成立しなかった場合にとる、最終手段となります。
そして、離婚裁判にまで進むと、法律で決められた複雑な手続きや、弁論が求められますので、自分達だけでは進める事ができないので、弁護士に依頼するのが一般的となります。
協議離婚の話し合いでもまとまらず、家庭裁判所の調停・審判でも離婚成立に至らなかった場合、家庭裁判所に離婚の訴えを起こして、その裁判に勝利して、離婚を認めるの判決を得なければなりません。調停を経ず離婚の訴訟を起こすことはできません。一度調停を終えてからとなります。また、離婚の請求と併せて、慰謝料・財産分与などの金銭問題、未成年の子供がいる場合は、親権者の指定、養育費の請求も同時に行うこととなります。
離婚裁判を起こすためには、2つの必要条件が必要。
まず1つ目は、配偶者に「法定離婚原因」があることが必要であり、この「法定離婚原因」は、不倫・悪意の遺棄・3年以上の生死不明・回復の見込みのない強度の精神病・婚姻を継続しがたい重大な事由の5つとなっています。
そして、2つ目は、離婚調停が不調に終わったことを受けて、提起されている必要があります。この状態を、「調停前置主義」といいます。
これら2つの必要条件が揃った場合に、離婚裁判を起こすことができます。
相手に配偶者以外と性的関係を持つ「不貞行為」があった
相手に同居や夫婦生活の協力を拒否したり、扶養義務を怠ったなど「悪意の遺棄」があった
相手が3年以上「生死不明」である
相手に回復の見込みのない「強度の精神病」がある
その他DVや長期間の別居、性格や性的な不一致等婚姻を継続しがたい「重大な事由」がある
裁判後の判決に関して
裁判を起こすと、取り下げ・調停・和解・判決の4つの中から、いずれかの結論が出ます。
通常、訴えた側である原告が期待する結果は、和解または判決なのですが、裁判の成り行きを見据えて、裁判官が和解が可能と判断した場合には、和解を促される流れとなります。
そして、原告と被告の双方が和解案に納得できれば、和解調書が作成され終了となります。
判決は、裁判官が妥当と判断した結論が言い渡されることを指します。
この判決には強制力があるのですが、判決に納得がいかない場合には、控訴・上告も可能となります。控訴・上告に際しては、弁護士とよく相談して判断するようにしましょう。なお、和解に関しても、和解案に従った方が良いのか、判決を待った方が良いのかについて、弁護士とよく相談されることをおすすめします。
離婚を認める判決が下された後、2週間以内に相手方が控訴、つまり高等裁判所に対して不服申立てがされなければ、判決が確定する。
判決の確定によって離婚は成立するが、判決確定後10日以内に役所に判決書の謄本等を届け出ることが必要であるので注意したい。ちなみに、提出先は全国どこの役所でも可能である。
弁護士費用に関して
一般的に離婚の弁護士費用は、 離婚そのものの弁護士費用と慰謝料、財産分与、養育費、親権などの弁護士費用の2階建てになります。
例えば、離婚に関する着手金が30万円、報酬金が30万円、合計60万円だとします。
これは離婚そのものの弁護士費用です。
この離婚で1000万円の慰謝料・財産分与が得られた場合は、その分の着手金、報酬金がプラスされます。
弁護士に依頼した際の費用の相場については、一般的には、着手金が30万円〜50万円、報酬金が30万円〜50万円となっています。弁護士によって料金設定は異なりますので、依頼する前には必ず、かかる費用の確認をするようにしましょう。
事件状況:夫の暴力が原因で離婚した妻が慰謝料200万円、子供の親権、養育費月額3万円を得たというケースが、「市民のための弁護士報酬」に載っていました。
それによると、着手金、報酬金の費用は下記のようになっています。
着手金:20万円前後(45.1%)、30万円前後(41.5%)
報酬金:30万円前後(39.6%)、20万円前後(30.3%)
このデータから離婚調停で離婚が成立すれば、着手金+報酬金=50万円前後というのが弁護士費用の相場のようです。
また、依頼する際には、離婚問題を得意とする弁護士に依頼するようにすると、物事の進みや流れも楽になるはずです。
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