当人同士の話合いで解決する協議離婚の仕組みと流れ [離婚の種類と方法①]
離婚には大きく分けて4種類の形がありますが、この協議離婚は、一番単純な、結婚していた夫婦である、当人同士が話し合って解決する離婚の形になります。
協議離婚
協議離婚とは、第三者を介さず、夫婦二人が話し合って決める離婚のことです。この話し合いの結果、お互いが納得できれば協議離婚が成立します。日本の離婚のほとんどが、この協議離婚ですが、もし二人だけでは成立しなかった場合、家庭裁判所に調停を申し立てる事になります。
協議離婚の流れ
夫婦2人で離婚の話し合いを行う
↓
協議が成立(夫婦が納得した場合)
↓
離婚届を記入・作成する
↓
市町村役所へ提出する
↓
離婚が成立
民法763条には、夫婦はその協議で離婚をすることができる。と定められており、離婚について夫婦が「合意」すれば、それがいかなる理由であっても問題ありません。
離婚届を本籍地・住所地の市区町村役場に提出・受理することによって離婚が成立します。離婚届には夫婦それぞれの署名押印と、証人2名の署名押印が必要です。証人は成人であれば、資格制限もなく誰でも構いません。
離婚に関する合意書(離婚協議書)と公正証書
離婚に関する合意書(離婚協議書)
離婚協議書とは、離婚後のトラブルを防ぐために、協議離婚する際に取り決めた、お互いの合意内容を書面として記録したものになります。
協議離婚する際は、下記の取り決め事項を話し合って決める必要があります。
取り決め事項
・協議離婚すること
・財産分与
・慰謝料
・養育費
・子供の親権者の決定
・子供の監護者の決定
・面接交渉権
・戸籍筆頭者ではない者の離婚後の氏の変更・不変更(相手の同意は不要)
・離婚届提出日
公正証書
強制執行認諾約款付き公正証書は、離婚時に取り決めた慰謝料・財産分与・養育費が約束通り支払われない場合に、裁判を起こさなくても法的に相手の給料を差し押さえる、つまり強制執行ができるという重要な文章になります。公証人役場で作成してもらえるので、必ず作成するようにしましょう。
せっかく取り決めた離婚協議書も、相手が約束を守らなければ意味がありません。後々のトラブルを未然に防ぐ為にも、離婚協議書に基づいて公正証書を作成することをお勧めします。
協議離婚取消しの期間制限
まだしっかりと離婚の話合いができていないにも関わらず、暴力・脅迫や勝手に離婚届に署名・押印したものが提出されてしまった場合でも、離婚が成立してしまう事があります。これを見つけた場合は、事実を発見した日から三ヶ月までは、協議離婚取消しの申立てを家庭裁判所にする事ができます。
また、この様な事が起こる可能性がある場合は、「離婚届不受理申出書」を先に提出しておけば、離婚届が受理される事はありませんので、未然に防ぐことができます。
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