帰省するべき?

蝉の声。肌を刺す日差し。吹き出る汗。
・・・暑い。毎年やってくるこの行事「お盆の帰省」。

「今年はどうする?」と夫に尋ねられても「いつからいつまで帰省する?」の意味だと察して「お土産は何がいいかな?」などと答えていたのは、夫婦関係がうまくいっていた頃の話。そんな頃でさえ、夫の実家に何泊もするのは正直気が重いな、と感じていた方も多いでしょう。

ましてや夫婦関係がぎくしゃくし、会話もままならない状態で、もしも夫に「今年はどうする?」と尋ねられたらあなたは何と答えますか?
本音では「こんな状態の時に帰省して、うまくいっていないことが知られたら嫌だな。」とか「あれこれ根掘り葉掘り聞かれたり詮索されたりするのは嫌だな。」と思っている
のに、口から出る言葉は「えー、行かなきゃダメ?」だったり「あなただけ行ってくれば。」だったりしてはいませんか?

そして、その言葉だけをそのままの意味で受け取った夫は不機嫌になり、そういうつもりで言ったのではないのに、と今さら弁解もできず、誤解を受けたままのあなたは落ち込んでしまい、夫婦関係はより険悪に・・・なんてことも多いのです。

ケンカというよりはなぜか気持ちが行き違う、何となく最近うまくいっていないと感じている時こそ、お盆は夫の実家へ帰省することをおすすめします。

期待に応える

ここで、迎える側の気持ちを考えてみましょう。
子どもがいる場合、孫の成長を見るのは楽しみなものです。そしてそれと同じ位、自分の息子が結婚した相手に大切にされているかどうかが気になっているもの。いくつになっても可愛い息子が大切にされているか気になるからこそ、普段どんなものを食べているのかを話題にして、あなたの料理の腕を遠回しに確認したり、あなたの働き方に口を出したりしてしまうのかもしれません。ですから、息子の幸せを願う両親に帰省のタイミングで「実は・・・」などと相談したり、聞かれたからといって全てを正直に話して余計な心配をかけ、不安にさせる必要はないのです。

では、今度は夫の立場になって考えてみましょう。
夫にとってみれば「家族を幸せにしている自分の姿」を両親に見てもらい、認められたいもの。親孝行をしたいという気持ちが強い夫ほど、夫婦関係がぎくしゃくしていることなど絶対に知られたくはないのです。しかも厄介なのは、それを言葉ではなく態度で示そうとするところ。いかにも普段からそうであるかのように、何かとあなたに指示をしたりちょっとした文句を言ったりすることで、家での自分はこうなのだと強い自分を両親へ
アピールしたがっている場合もあるようです。そしてそんな息子の様子を頼もしいと感じる両親もまだまだ多いように思います。

だからこそ、お盆の帰省は夫婦関係修復のチャンスなのです。

女優になる

夫やその両親に期待されていることが何なのかを知り、それに応える行動を取ることで
相手に喜ばれれば、あなたの株は確実にあがります。
そうです、期間が決まっているお盆の数日間だからこそ頑張れそうな気がしませんか。

さて、期待される妻像って何でしょう。
・嫌な顔をせず、いつも笑顔で明るい声や表情をしていること
・食事のマナーがよく、品の良い洋服を身につけ、正しい敬語が使えること
・片付けや料理など、家事がしっかりとできること
・両親や親族の前で夫を褒め、夫を立ててくれること
・夫の実家の風習や習慣に関心を持ち、両親の話に耳を傾けてくれること
・何か手伝いましょうかと自分から声をかけ相手を気遣い、気か利くこと
・周りの空気に鈍感でなく、てきばきと動きながらも出しゃばらないこと 等

こうしてみてみると、夫婦は同等と言われる世の中においても、まだまだ「妻とは」という固定観念があることがわかります。今よりももっとそれぞれの役割を期待される時代に夫婦関係を築いてきた両親と、その両親に育てられた私たち世代なのですから無理もないことかもしれませんね。

そこで、ぎくしゃくした夫婦関係を修復したいあなたには「帰省している数日間は女優に」なりきってみてほしいのです。

期待はしすぎずに

今までの帰省では「することがなくて何をしていたらよいのかわからない」「どこまで手伝いをすればよいのかわからない」「どんなことを話せばよいのかわからない」と憂鬱な気分になっていたかもしれません。あるいは「悪い人ではないけれど性格や考え方が合わない」「自分の育ってきた環境とあまりにも違う」と夫の両親を受け入れられない気持ちがあったかもしれません。でも今回の帰省には、夫婦関係の修復という目的があります。いつかのテレビで見たような理想の妻役でも、完璧な家政婦役でもいいのです。
まずは見返りを求めずに夫と夫の両親に尽くすことを優先させてみてください。

夫にとって、自分の両親を大切にしている妻の姿はありがたいものです。さらに、両親の前で自分を立ててくれるとなれば、嬉しくて機嫌も良くなるというもの。言葉にはしなくても「こんなにいいところがあったのか。」とあなたに対する見方も評価も変わるはずです。しかも、自分の息子が大切にされていると感じれば、夫の両親もあなたを大事にしてくれますよ。

ただし「これだけのことを頑張ったのだから」と期待が大きすぎると、相手の反応が自分の予想と違う時、がっかりして余計に落ち込んでしまうことになりかねません。相手には必要以上に期待しすぎず、頑張った自分を褒めて認める方に意識を向けたいものです。

必ずお墓参りを

それから、できれば帰省後にメールではなく丁寧な直筆で「この度はお世話になりました。いたらなかった点もあったかと思いますが、おかげさまで楽しく過ごすことができました。」といった内容のお礼の手紙やハガキを出せるとなお良いでしょう。

と、ここまで申しあげてきましたが、お盆は先祖供養の時です。もしかしたら、夫のご先祖に感謝の気持ちを伝える素直な気持ちこそが、夫婦円満に必要なのかもしれません。
どうか、お墓参りは忘れずに。

この記事を作成したキュレーター

夫婦関係アドバイザー 山谷育子

「ズルい」ことが嫌いです。「お世辞」を言うのも苦手です。けれど、伝え方を工夫していたら夫婦関係はこじれないで済んだかも。そんな思いを経て、夫婦関係アドバイザーになりました。

プロフィール

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