子供を持つ夫婦の離婚問題

子供を持つ夫婦にとって、子供を持たない夫婦と比べると「離婚」はとてもハードルが高いものです。
「子供は愛しているけど、パートナーへの愛はなくなってしまった。」「離婚はしたいけど、子供を一人で育てる自信がなく離婚できない。」「夫(妻)としては愛していないけど、子供の父としては必要。」など、よく耳にしますよね。
離婚したら、子供に寂しい思いをさせてしまうのではないか、経済的に苦しくなるのではないか、片親という偏見をもたれるのではないか。だからといって、夫婦仲が冷めている中で子供を育てていくことが、子供にとっていいことなのか。悩んでも悩んでも、答えがすぐに出せるものではありません。

子供を一人で育てる覚悟

夫婦のどちらかが一人で子供を育てるということは、とても大変なことです。
経済的にも、時間的にも、肉体的にも、すべてに余裕がなくなってしまいます。一人で二役しなければならないのですから、当然です。
ひとり親家庭が抱える問題とは、一体どんなものがあるのでしょうか。

1 経済的問題

 父子家庭、母子家庭の収入状況は、父子家庭平均額は年間約310万円、
母子家庭平均額は年間約160万円となっている。

平均的な一般家庭が年収500万円だとすると、かなり低い水準です。
特に母子家庭の経済的困窮は深刻だといえます。

2 コミュニケーションの問題

一人で生活を支えなければならないため、働きに出なくてはなりません。
そのため、子供とのコミュニケーション時間が十分に取れない可能性があります。
働く時間をとって収入の安定を図るのか、子供との時間をとるのか、これもまた悩みどころです。

ひとり親家庭の親が就業している者の帰宅時間

ひとり親家庭の親が就業している者の帰宅時間

また、離婚によって離れて暮らす方の親やその親戚との面会交流や頻度なども、子供にとって十分なものであるのか、よく考えなければなりません。

面会交流の頻度や回数 月に1回以上 
52.1%2~3か月に1回以上を含めれば、68.3%

離婚後の面会交流の平均的な頻度

3 偏見の問題

今でこそ、離婚する夫婦は珍しくありませんが、それでも未だに「ひとり親」という偏見で見られることはあるようです。
そういった偏見に屈することなく、自信を持って生活することが重要です。

4 再婚時の問題

離婚した後に再婚する場合、子供と再婚相手との相性の問題や、精神的負担がかかってしまう場合があります。
また、再婚によって元パートナーからの養育費の問題が生じる可能性があります。

離婚しないという選択

近年、離婚率はぐんぐん上昇し、三組に一組は離婚すると言われています。
その背景に女性の社会進出やライフスタイルの変化など様々な理由があると思われます。
もちろんDVやモラハラ、虐待など、肉体的・精神的に生命が危機に追いやられてしまう場合は、早急にパートナーとの距離をとるべきですが、もしもパートナーに子供の親として尊敬できる部分があるならば、「離婚しない」というのも一つの選択肢としてあってもいいのではないでしょうか。
子供がパートナーといるとき、笑っているのなら、きちんと三食食べられるのなら、学校に行って勉強ができるのなら、いっそのこと俳優にでもなった気分で「夫婦」を演じ続ける、という選択も一つの勇気のいる選択だと思います。

子供のせいにしない

子供を持った夫婦が、離婚する・しないどちらを選択したとしても、それを子供のせいにするのは絶対にいけません。
「子供がいるから離婚できなかった」や、「離婚したけど子供がいるから苦労した」など、子供に責任を押し付けるような言動は慎みましょう。
結婚したことも自分、子供を作ったのも自分、離婚する・しないを決めるのも自分です。子供は否応なしに、親のエゴに巻き込まれてしまいます。

子供は親が思っている以上に親のことをよく見ています。親にとって子供の笑顔が一番大切なように、子供にとっても親が笑っていることが一番なのです。
どんな選択をしたとしても、それが良かったか悪かったかは結果論でしかなく、わかりません。
ですが、子供を思って、そして自分にとっても幸せになろうと思って選択し、決断したのであれば、それがその人の正解なのではないでしょうか。

この記事を作成したキュレーター

夫婦問題ライター 高島のぶこ

夫婦問題に関する様々な事柄に対して、その原因と対策方法などを執筆いたしております。夫婦問題に悩む方々の参考になれば幸いです。

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