単身赴任だった夫が 、5年後に戻った場所は、、、、
4月・10月は転勤の季節。国民生活基礎調査・国勢調査によると2005年から2010年の単身赴任の家族は約73万人といわれています。かってのように単身赴任が話題にならなくなったのは、日本では日常生活においてあたりまえの事になってしまっているからなのでしょうか。単身赴任が原因で思いもよらない離婚も少なくありません。
夫は単身赴任、妻は実家で子どもと生活することを選択
職場で転勤の内示を受けた時から十分な話し合いをした結果、夫は食事等の心配のない独身寮で、妻は義理の両親の家にも近いこともあり実家で生活を始めました。子育て・パート・お互いの両親のサポートと忙しい生活の中、土・日曜日が休みではない仕事がら、1ヶ月に2回程の帰宅から数ヶ月に1回の帰宅になっても気にとめることもないままの生活が続ました。
その5年間に妻や子どもが赴任先を1度も訪れたことはありませんでした。
本社勤務に戻る5年が経過し、夫から受け取ったものは、、、
5年ぶりに家族揃っての生活を楽しみにマンションに引越し夫の帰りを待っていた妻の元に届いたものは離婚調停の知らせでした。本社勤務になった夫は、あろうことか1ヶ月も前に隣町で暮らしていました。後から分かったことですが、独身寮にいると安心していた妻ですが、単身赴任先で知り合った女と早い時期から暮らしていたようです。
地球が消滅してしまう程の衝撃と絶望感の妻に、一般的には単身赴任の時期を離婚理由の1つの要素として別居期間と認めれれることはないのですが、用意周到の夫にもより、離婚調停で出された答えは婚姻関係の破綻と認定されてしまいました。
単身赴任中の夫婦の絆をどう保てばいいのでしょうか
夫婦が離れて暮らすことにより、心まで離れてしまわない方法があるのでしょうか。縁もゆかりもない見知らぬ土地に1人で出向いて頑張っている夫と、子育・パート・両親のサポートと時間と格闘をしている妻。
いつも側にいることやスキンシップで疲れを癒したり、気分を安定するホルモンは分泌されるといいます。お互いに離れていても心が繋がっていられる関係をまとめてみました。
子どもと暮らす妻から、家族の存在を常にアピールしましょう
携帯の待ち受け画面を子どもや家族の写真に、欧米映画でよく見かけるように職場のデスクに家族の写真を飾ってもらいましょう。また、お互いの近況を伝える手段としてのメールには写真を添付することを忘れずに。子どもから家族の写真のハガキなどで便りを出すのもいいですね。皆んなでお父さんの帰りを持っていることを常に伝えましょう。
コミュニケーションを大切にしましょう
メール・電話・ライン・スカイプ等さまざまな連絡方法があります。こまめにコミュニケーションを取ることで、お互いの生活状況を把握でき、夫の健康も気にかけ生活習慣の乱れを防ぐこともできます。そして、お互いの気持ちや現状が気になってくるものです。フェィスブックで繋がっているのもいいですね。早い時間に子どもと、就寝前に妻と電話している夫、毎朝モーニングコールをしている妻もいます。
どんな小さな事でも相談しましょう
買い物にいったり、食事をしたり、今まで一緒に当たり前のようにしてきた事がなくなってしまっていますが、日常に起こるどんな小さな事でも夫に相談しましょう。「そんなことぐらい勝手にきめろ!」と言われても、頼られて悪い気がしないのは男性です。子どもに「お父さんがそう言っていたよ〜」と 伝える事で家族にとって頼りになる存在であることができます。夫にも信頼されている事を常に実感してもらいましょう。
感謝の気持ちを伝えましょう
「亭主元気で留守がいい」と夫の不在の家庭はさみしい反面、気楽でもあるのですが、その気楽な生活は一生懸命に働いてくれる夫がいるからこそ成り立っているのです。子どもにもその事を理解できるように伝えましょう。いつもお父さんの座っている席にお茶碗とお箸を用意して伏せておくのもいいですね。夫をいたわり感謝の気持ちを伝える事を忘れないでください。
心まで離れてしまわないように、信頼関係を大切にしましょう
離れているからこそありがたみが感じられ、たまに会う事で新鮮な気持ちも生まれてきます。面と向かって言えない事でもメールなどでは伝えられ、信頼関係を築くこともできます。つぎに会える時のために子どもと一緒に新鮮度をアップしておいてみましょう。
これからの保障と、窮地に追い込まれた心のサポート
私が相談を受けたのは離婚調停の終わる時期で、「もうどうなってもいい、何もいらない、捨てられてやる!」 と自暴自棄になる妻に、弁護士を紹介し、当面の生活費・慰謝料・財産分与・年金分割・養育費等が進められ、少しずつ前向きに生きていけるようになったものの、突然、離婚に追いやられてしまった妻と子どもの心のサポートは1年以上続きました。