不倫を悲しむ妻、不倫に怒る夫

日ごろ仕事をしていて思うのは、「夫が不倫するのと、妻が不倫するのとではずいぶん違うなあ。」ということです。
例えば、夫が不倫をしたとき、妻は悲しんだりショックを受けたりしますが、その感情の元となっているのは「裏切られた」という気持ちがあります。
では、妻の不倫が発覚したときの夫の感情はどうでしょうか。まずは、怒りの感情が先立ち、その元となっているのは「自尊心」の崩壊です。夫は、妻の不倫行為により、自分がバカにされたと感じるようです。

離婚の場面では

では、この違いが離婚の場面でどう出てくるのでしょうか。まず、夫に不倫された妻の場合は、一番に慰謝料請求につながります。しかし、妻に不倫された夫は、慰謝料請求はもとより、財産分与や婚姻費用といったすべての金銭給付について「不倫した女なんかに一銭もやらん。」と主張したりします。また、「不倫した妻は母親失格である。」と親権さえも譲らない夫もいます。

夫の不倫より妻の不倫の方が罪が重い?

とにかく、妻に不倫された夫の方が、夫に不倫された妻より怒りの度合いが大きいのです。そして、いつまでも根に持ち、何かにつけて不倫をネタに攻撃してくるでしょう。昨今のタレントの不倫報道でも見られるように、女性タレントが不倫した場合と男性タレントが不倫した場合の世間の反応は違うのです。まだまだ日本は男性優位の社会なのだなと実感する瞬間です。

妻の不倫はばれにくい

妻が不倫した場合の夫の怒りの感情が強いのは、「不倫されるなんて夢にも思わなかった。」という人が多いからです。つまり、夫は妻の不倫を疑うセンサーが弱いので、妻が相当のしっぽを出さない限り、不倫に気付かないという人も多いものです。

増える妻の不倫

しかし、ここまで書いてきたような夫と妻の違いは、徐々になくなってきているようにも思います。日々の仕事を通じて感じるのは、妻の不倫を原因とする離婚が増えてきているということです。女性の社会進出に伴い、家庭で専業主婦をするのではなく、外で仕事をしたり、趣味を活かして起業したり、ママサークルを作ったりと活発に活動する女性が増えてきました。そうすると、必然的に異性と出会う機会も多くなり、不倫に発展することも出てくるのです。

不倫の結末

しかし、夫にしろ妻にしろ、不倫をした代償はとても大きなものです。その夫婦に子どもがいた場合は、一番かけがえのない存在を傷つけることにもなります。一瞬の熱い思いより、長く続く穏やかな愛情を大切に生活していきたいものです。

この記事を作成したキュレーター

行政書士・カウンセラー 離婚テラス

家庭裁判所の家裁調査官として、離婚に直面したたくさんの親子と接してきました。ただ、家庭裁判所での調停離婚・裁判離婚の数は、離婚全体の10分の1もありません。残りの10分の9のみなさんのお役に立ちたいという思いで独立いたし...

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