モラハラ夫はみんなが「うん」というまでやめない

「あの人はみんながうなずくまで、『だろっ』『な、そうだろ?』って迫ってくるんです。」
これは、モラハラ夫を持った妻やその子どもたちからよく聞かれる言葉です。モラハラ夫は、自分の意見が常に正しいと信じて疑わないので、「うん」と言わない周囲の人間が間違っていると思っているのです。そのため、周囲が首をかしげていたり、「違う」と意見したりすると、相手が「うん。」というまで説得し続けます。相手が根負けして「ああ、そうだね。」となると、ようやくモラハラ夫の説得から解放されることになります。

モラハラ夫は一見正しそうな主張をする

モラハラ夫を配偶者に持った妻がつらいのは、モラハラ夫の言うことが一見正しく聞こえたりすることです。例えば、モラハラ夫が毎晩毎晩深酒をして妻に暴言をはいたり暴力を振るったりするので、妻が耐えかねて「あなた、お酒はほどほどにして。」と必死の思いでお願いしたとします。それを夫は、友人たちが集まった場などで、「仕事で疲れて帰ってきたら酒ぐらい飲ましてくれてもいいよな~。俺の嫁、ダメだって言うんだぜ。鬼嫁だよな。」なんて冗談めかして話したりします。
また、育児に疲れた妻が束の間の休息を取るため子どもたちと昼寝をしたとします。それを見つけた夫は、「専業主婦は昼寝もできていいなぁ。」とこれ見よがしに大きな声で言います。たとえ妻が育児ノイローゼになるほど精神的に追い詰められていたとしても、です。
このように、モラハラ夫はちょっと聞いただけではひどいことを言っているようには聞こえないのが特徴です。しかし、言われた方としては、精神的に弱っているところに更にダメージを加えられ、しかも反論できる力もないので辛さや悔しさが増すのです。

モラハラ夫は自分が嫌われていることが分からない

モラハラ夫は、自分が妻や子どもから嫌われていることが理解できません。例えば、「俺は週末ごとに子どもと遊んでやっていた。子どもも喜んでついてきてたんだから、俺のこと嫌いだなんてありえない。」なんて言ったりします。しかし、子どもは、「ぼくお父さん嫌い。いつも週末にはお父さんの用事につき合わされて嫌だった。楽しそうな顔しないと「楽しいか」って何度も聞かれるのも疲れた。」と言ったりします。
そのため、モラハラ夫は、妻から離婚を切り出されてもなかなか納得することができず、「君は今気持ちが不安定なだけだ。」とか「子どものことを考えたら離婚は親のエゴだ。」などと言って妻を説得にかかったりします。

モラハラ夫は治るのか

これまでの経験上、モラハラ夫は最後の切り札(別居や離婚)を出されるまで、自分が間違っていると認めることはありません。中には、最後の切り札を出されても、まだ自分の非を認めることができない人もいます。ただ、実際に妻や子どもが家を出て行ってしまってから、寂しさを実感し、自分のモラハラ行為と向き合うことができる人もいます。あなたがモラハラ夫との離婚を本気で考えられるのであれば、一度、「別居」という行動に出るのも一つの手ではないでしょうか。

この記事を作成したキュレーター

行政書士・カウンセラー 離婚テラス

家庭裁判所の家裁調査官として、離婚に直面したたくさんの親子と接してきました。ただ、家庭裁判所での調停離婚・裁判離婚の数は、離婚全体の10分の1もありません。残りの10分の9のみなさんのお役に立ちたいという思いで独立いたし...

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