不安の正体

毎朝お弁当を作り、夫と子ども達を送りだし、掃除洗濯を終えて、やっと一息。
そんな時ふと「私、このままでいいのかな。」と漠然とした不安と焦りを感じることは
ありませんか。

あるいは、結婚しても仕事を続け、子育てと仕事を両立させながら頑張ってきたけれど、職場からの帰り道「なんだか息切れしちゃったな。」と思わずため息をついている自分に気づいたことはありませんか。

うまく表現できないけれど、確かに感じているモヤモヤとした気持ち。漠然とした不安と焦り。もしかしたらそれ「中年の危機」と呼ばれる状態かもしれません。

中年の危機~ミッドライフ・クライシス~とは

この「中年の危機」という言葉を使ったのは、アメリカの心理学者レビンソン(Levinson DJ)で、彼によれば40歳頃多くの人はミッドライフ・クライシスと呼ばれる、心が大きく揺れる状態を経験するのだそうです。「私の人生、これでよかったのかな。」「私、このままでいいのかな。」と過去を振り返り、現在を見つめ、未来を想像し、それによって気がついたことに恐怖を感じたり、周りの人や自分に対して怒りを覚えたりすることが多いというのです。

確かにそうかもしれません。
頭を悩ます毎月の生活費や家のローン、ゆっくりお風呂にも入れないほど振り回される
子育て、年老いた親の介護問題、職場環境の変化や人間関係のストレス、そして、決して愛情がないわけではないけれど何だか物足りなく感じる夫婦関係。

ということは、それぞれ状況は違っても多かれ少なかれ誰しもが経験する感情だと言えるでしょう。ですが、忙しい毎日を過ごしながらも、いつでも自分のことや自分の気持ちを後回しにして家族を第一に考えるような、いい妻・いい嫁・いい母親といわれる人ほど、ふと立ち止まったときに「これからの自分の生き方」についての悩みを感じやすいように思うのです。

心の危機、どう乗り越える?

レビンソンによれば、この時期にはなすべき課題があるといいます。

・若い時代を振り返って再評価すること
・それまでの人生で不満が残る部分を修正すること
・新しい可能性を試してみること
・人生の午後に入るにあたって、生じてきた問題を見つめること

つまり、家族を第一に考え、夫や子どもに尽くしてきた自分自身をまずは受け入れ認めること、そして、とことん自分の内面と向き合い、今の自分にふさわしい「新しさ」を求め試しながら、気持ちの折り合いをつけていくことが大切なのかもしれません。
そして、この時期をうまく乗り越えられると精神的に自立した女性として、より充実した人生を過ごせるように思います。

難しく考えなくて大丈夫

「そうは言っても何をどうしたらいいか。」
はい、まずは「私だけがこんな気持ちに、、、」と思い悩まず「お、きたきた、これね、この感じね。」あるいは「うーん、何ともいえないこの感じがそうなのかな。」と、モヤモヤした気持ちを認めてください。なぜならあなたはすでに、人生が続く限り誰もが「中年」という時期を迎え、その時に「中年の危機」と呼ばれる心理状態が起こりやすいことを知っています。多くの人が自分と向き合いながらこの時期を乗り越えて行くのだとわかれば、必要以上に落ち込まなくて済みますし、気持ちも楽になるかもしれません。

今まで生きてきた環境や、現在抱えている問題、なすべき課題が同じ人など一人もいません。ですから、自分に合った乗り越え方を見つけていくことも必要になります。考え方の癖に気づいたり、知らず知らずにとっている行動パターンを見直したりすることもあるでしょう。簡単にとはいかなくても、人生の後半を自分らしく豊かに生きていくための学びだとプラスに捉えて取り組んでみませんか。

あなたの家族とあなた自身の幸せを願って、私もお手伝いをしていきます。

この記事を作成したキュレーター

夫婦関係アドバイザー 山谷育子

「ズルい」ことが嫌いです。「お世辞」を言うのも苦手です。けれど、伝え方を工夫していたら夫婦関係はこじれないで済んだかも。そんな思いを経て、夫婦関係アドバイザーになりました。

プロフィール

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